スノーボード、スキーでの並行輸入品と正規輸入品の品質の違い。
この不景気、円高にますます盛んな「並行輸入品」(平行輸入ではない。)
正規品と並行輸入品、その言葉の複雑な意味も含めて、解説だ!!
ちなみに、個人的に並行でも正規でも別にどうでもいいのですが、
既存の並行輸入店舗(特にネット上)では記載に問題があったりする事が多く、
「詐欺行為」は、殆ど並行輸入店舗、個人輸入の店舗で行われている現実。
それでも、「値段の安さ」に惹かれてしまう方へ。
並行輸入の簡単な歴史
昔々、日本では正規代理店が商標を占有している場合、 特許権、商標権は各国単位で
守るべきとの考えが主流だったため 並行輸入業者に対して、販売の差し止めを行う事が可能でした。
そのため並行輸入を扱おうとする販売店も非常に少なかったのです。
(並行輸入のリスクが高すぎたって事ね。)
事実、昔の日本は真正品(海外正規代理店、日本の商標権者が証明)の輸入が全てであり、
消費者がニセモノをつかまされるなどという事はほとんどありませんでした。
つまり消費者は何も考えず小売店で買ってもそれは(ほぼ)間違いなく真正品でした。
しかし、1971年に行われた「パーカ万年筆事件」や平成9年「BBS事件」において
日本の裁判所は「真正商品ならば並行輸入は合法」との司法判断を度々示しています。
この司法判断によって日本国内にも並行輸入業者は増加していったのです。
市場の国際化が進んできて前述の「特許権、商標権を各国単位で・・・」 という考え方が、
現状に合わなくなっていた事に起因すると思います。
並行輸入の黒い部分
「真正商品の輸入ならば、並行輸入は合法」
この司法判断は真正品と偽って模造品、粗悪品を輸入し販売している業者も増加させました。
また、厄介なことに模造品、粗悪品と知らずに販売していた場合、法的なお咎めはほとんど無しという現状。
黒い並行輸入業者はたとえ確信犯でもそれを決して認めません。てか認める必要もありませんよね。
ブルガリのキーリング事件 の時でさえ、日本のブルガリ(商標権者)がニセモノだと言っても、
並行業者は「これは、決してニセモノなどではありません」などと堂々と仰るのです。ww
もう、アホかと。
しかし、なぜ、並行輸入業者はこんなアホな事を堂々と言えるのでしょうか?
それは、少なからず「輸入品が真正品である証明」を持っているからなんですね。不思議と。
「何をもって本物(真正品)とし、それを誰が証明、保証するのか」
最も並行輸入において難しい部分です。
例えば、品質基準が日本の国内、国外で違う場合。
参考URL ・「ナチュラルバランス正規輸入品と並行輸入品について」 (ペット用品)
http://www.pn-reflex.com/know/nb_import.html#p4
http://www.profit-inc.co.jp/news/news0311/heikou.htm
品質管理基準で考えた場合、正規輸入品の方が優れた商品ではありますが、
真贋のみで判断するなら両方とも間違いなく真正品です。
つまり、この並行輸入の場合、購入者がどんなに文句を言おうと「合法」なのです。
ただ、並行輸入品の品質が正規輸入品に比べ、大幅に落ちるだけの事なのです。( ・∀・)アヒャ
販売価格はその国内外の価格差に起因し、並行輸入品の方が国内市場において同じ商品名で、
かなり安く販売する事が可能となります。 正規輸入品取扱店も法律上、並行輸入品を止めることは出来ません。
って事は、何を選ぶかは消費者の自己責任ですよね。
で、スキー、スノーボードの場合、真正品の判断は誰が行うのでしょうか?
ウィンター業界の正規輸入品と並行輸入品について。
そのアイテムが真正品であるかの判断は「商標権者」しか行う事ができない。
並行販売店、並行輸入業者は元々、「真贋を判定する権利」を有しないのである。
まず、並行輸入業者のウンチクで多いのが、
1・日本の正規品と品質は同等、しかも安いです!!
2・海外正規店より直輸入!!
3・当店が責任をもってその品質を保証します。
4・シリアル番号が消してあるのは流通ルートを判別されないためです!!
まぁ、こんなもんか。 コレを、一つずつ否定する。
1・日本の正規品と品質は同等、しかも安いです!!
まず、品質は同等であると断言、証明する事は不可能。
スノーボードで言えばBurtonは日本(Burton Japan)独自の品質管理基準が存在するのは有名。
海外では普通に販売してしまうようなセカンドグレードは日本輸入元(Burton Japan)にはおろしません。
(日本人は細かくて、商品の状態にうるさい事はインターナショナルに知られてますww)
上で言う、「海外では普通に販売してしまうような、日本の管理基準ではセカンドグレード該当品」が
並行輸入で入荷していない可能性は、決して「0%」にはなりません。
2・海外正規店より直輸入!!
どこの正規店なのかがハッキリしないと何の説得力も無い。
海外の正規品から入荷しているのであれば、その購入店舗名を聞いても問題ないはず。
(真正品の並行輸入は合法ですからね。) 当然購入店舗発行の保証書が付くはずだが、
並行輸入店舗は「何処から入荷しているか」に関して質問すると大概、言い訳、沈黙・・・・か、怒るwww
3・当店が責任をもってその品質を保証します。
なんの意味も無い。
販売店、並行輸入業者には「真贋を判断する資格、権利がない」
祭の露店、上野の路上で売ってるロレックスと販売形態的になんら変わりが無い。
真贋の判断はそのブランドの商標権者のみが行えるものであり、お店では判断できない。
やっかいな事に、スキー、スノーボードの板等は実際に使用してみないと差異が判断しにくい。
「正規品と乗り比べたら、明らかに柔らかいんだけど・・・」
などと言っても後の祭。「返品、交換は未使用品に限ります」と、いかにもな正論を言われる。
使わずに品質を判断する事が非常に難しい商品の性質を逆手に取っているわけだ。
4・シリアル番号が消してあるのは流通ルートを判別されないためです!!
これも意味が無い。
というか「シリアルを消す必要性」が全く無い。
司法の判断でもあるように「真正品の輸入ならば並行輸入は合法」なのです。
シリアルが刻印されており、それが間違いなく真正品であるならば、
メーカー、正規代理店が修理を断る事が出来るでしょうか? おそらく出来ませんよね。
「海外で購入して、日本に持ってきた」とでも言えば、全く問題ないでしょう。
有名バッグブランド(LV)などは真正品であれば並行だろうと何だろうと修理を受付けますよね。
また、「オーダーの制限」やら「取引中止」やら並行店舗の言い訳がイチイチもっともらしいが、
ウィンター業界自体が衰退の一途をたどっているのにメーカーがオーダー制限などするわけが無い。
金さえ払ってくれるのであれば、どのメーカーだって喜んで作りますwww
実際に「ウチは制限されています!!」なんてお店が存在するのであれば、そっちの方が危ない。
メーカーが制限する理由は二つ。 「金払いが悪い」 「販売実績がない」
つまり、制限しているのではなく、経営状況を疑い、安心して取引できない会社(店)って事であるww
なぜ、シリアルを消してある並行輸入品が存在するのか。
1・単純なサンプル(デザインのみ同一)
サンプルとして輸入すると関税がかかりません。 コレを商品として販売すれば( ゚Д゚)ウマー
2・工場でのセカンドグレード(B級品)
工場出荷時の検品で弾かれてしまうような明らかなセカンドグレード。
流通してしまうと具合が悪いので廃棄処分・・・・
でも捨てるのは「モッタイナイ」から工場の人がシリアル潰して格安で横流し。それを並行で販売( ゚Д゚)ウマー
たまに「1から始まるのはA級品~」などと言うがどこの都市伝説かと。
ライダー用等でシリアルが違うと言うのは初めから生産ラインが違うから。
3・正規店等に修理持込されないようにの予防線
下手にB級品を混ぜて売っているお店などは正規に持ち込まれて、品質を鑑定されてしまうと
具合が悪いのもありますよね。 例えば前述のサンプルボードとか。
折損で見えている心材の入り方がスペックと違ったりとか
グラフィックがインターナショナルでも存在しなかったりとかww
ちなみに並行輸入商品において 「メーカー希望小売価格」等の表示は日本において違法です。
なぜなら、その商品は日本の価格「~~円」が無い商品だからです(日本正規の品質テストを受けていない)
表示するなら輸入国の通貨となるわけですなww
並行輸入を扱うお店でも、しっかりしているお店は
「国内参考価格」、「当店通常価格」などと言う表示になっています。 (まぁ、どっちも微妙ですが・・・)
「メーカー希望小売価格●●円の▲▲%OFF!!! ○○円!!!」
と表示してある並行輸入の販売店舗は限りなくグレーに近い店舗だと思ってよいでしょう。
それでも売れる並行輸入品ww
並行輸入の一番の魅力は「価格の安さ」ですが
その正規輸入品との価格差は(事実上の)品質保証が無い分、安いだけなのです。
↑
同じ意味になりますが言い換えると。
↓
消費者は 「品質保証の無いリスク」を負って安い価格で購入しているだけなのです。
↓
さらに言い換えると
↓
品質証明をしなくていい(事実上出来ない)悪徳販売店は、サンプル、B級品、あらゆる手段と使って
関税の掛からない方法で輸入(前述)したり、工場のB級品の横流し品等を大量に買い付け、買い叩き、
他店舗より大幅に安い値段で販売しても利益が取れる仕入れを行う。
って流れは簡単に想像できるかと思います。
この流れに乗ってしまうアホな消費者がウィンタースポーツ愛好者に多い事は
ロディオマスターの一件 が明らかになってしまった様に、このサイトで語るまでも無い事かと思います。
「安いけれど大丈夫だろうか?」
結局、この並行品にまつわるこの不安感はどうしようもありません。
お店との信頼関係が築けないのであれば、何かあっても諦められる金額までにしておきましょう。
これを守っている並行店ならイイかと思うポイント。
・予約を取らない。(並行輸入はその性質上、入荷数の確定が非常に難しい。)
・実店舗が存在する。
・「メーカー希望小売価格●●円の▲▲%OFF!!! ○○円!!!」 と表示していない。
コレに当てはまったら絶対買わない。
・実店舗が存在しない。(特にネットのみの店舗は本当に危険。)
・会社の住所はどこぞのマンション、アパートの一室。
・基本的にメール対応。
・クレジットカードだと別途手数料が取られる。
・数量を100程度買い物籠に入れてみてもエラーが起こらない。(在庫管理してない)
・ドメイン管理者が本石ww
実際に「合同会社マーレ」 という楽天市場、ウィンター市場に出店している店舗。
実店舗は無く、住所(大阪府大阪市中央区農人橋2-1-31 第6松屋ビル627 )は
大阪のレンタルオフィスビルの一室です。
↓
http://office.costplan.jp/2007/10/post_64.html
しかし、この店舗は2010年1月度楽天市場ジャンル別月間MVPを受賞しています。どう思いますか?
安さには必ず理由があり、相場に合わない価格には事情があります。
自分なりに説明が出来る程度は調べる必要がある時代になってしまいました。
まぁ、この個人の買い物程度ならたとえやられたとしてもたかが知れてると思いますので、
二度と騙されないための授業料だと思って諦めましょう。
騙されてしまったらそれまで。誰も助けちゃくれません( ・∀・)
参考リンク
